八田亨 / 白掛植木鉢 Small J

底辺径(φ)55mm×高さ(h)100mm 口径80mm

現代陶芸作家・八田亨が手がける《白掛釉》は、作家自身が名付けた呼び名であり、荒めの小石を含む赤土の素地に白い化粧泥を施す、いわゆる粉引の技法によって生まれます。化粧泥の掛かり具合によって赤土がのぞいたり、釉薬の濃淡がゆらぎを生んだりと、ひとつとして同じ表情はありません。燃え盛る薪窯の高温で焼き締められた器は、硬質で重みがあり、力強さと存在感に満ちています。これはまさに、八田亨の真骨頂といえる作品です。

可憐な花、野趣あふれる枝物、珍奇な姿形の多肉植物。生命力に満ちた草花を包み込み、しっかりと受け止めてくれる花器のたたずまいは、八田亨の作品ならではの魅力です。

氏の象徴ともいえる白掛釉の植木鉢。八田亨が植木鉢を制作するのは今回がはじめてであり、その意味でも大変希少な作品といえます。作家との対話を重ね、Rurbanism のためだけに特別に制作いただいた、一群の貴重な作品です。

Rurbanismでは今後も、現代陶芸作家・八田亨による花器、植木鉢をはじめ、多様な作品をご紹介してまいります。

八田亨 / Toru Hatta

1977年、石川県生まれ。現在は大阪府堺市・富田林市にて作陶。 白掛・黒掛・自然釉・三島など、土味を生かした多彩な表現を探求しながら制作を続けています。

薪窯で焼成された花器は、力強さと複雑な表情をあわせ持ち、まるで自然の風景を切り取ったかのような存在感を放ちます。花を生けることで一層奥行きが増し、空間を引き締めながら、花とともに穏やかな余韻を生み出します。

Born in Ishikawa in 1977. Currently based in Sakai and Tondabayashi, Osaka, where he continues his ceramic practice.
Exploring a wide range of expressions that bring out the character of the clay, his work includes shirakake (white slip), kurokake (black slip), natural ash glazes, and Mishima inlay techniques.

His wood-fired vases combine strength with intricate surface qualities, radiating a presence reminiscent of natural landscapes. When arranged with flowers, they gain further depth, tightening the atmosphere of a space while creating a gentle resonance alongside the blooms.