Ryuji Iwasaki – New Works Arrival
現代陶芸作家・岩崎龍二による新作花器が、Rurbanismに入荷しました。
1980年大阪府生まれ。大阪美術専門学校で学び、現在は大阪府富田林市にアトリエを構える岩崎龍二は、色彩への飽くなき探求心を原動力に、「環流し(かんながし)」と呼ばれる独自の技法を磨き上げてきました。
釉薬で描かれた円環の層を流し重ねることで、奥行きや濃淡、そして揺らぎを内包した表情が生まれます。繊細な釉薬のグラデーション、気品を湛えたブルーグレー、みずみずしいアイスグリーン。
洗練された空気感を纏う色彩は、国内外で高く評価されています。
その独特の表情は、半磁器土に白釉を施したのち、酸化銅や酸化クロムを霧のように細やかに吹きかけるという極めて繊細な工程によって生み出されます。電気窯を用いた緻密な温度管理により、釉薬の結晶や色の変化(窯変)を精緻にコントロールしながら制作されています。
磁器でありながらしっとりとした質感と温もりを感じさせる佇まいは、岩崎龍二の作品ならではの魅力のひとつです。
今回入荷した作品は、Rurbanismのリクエストにより制作された半磁器土の花器作品です。
本作では、岩崎龍二の近年の代表的なシリーズである 「杼(ひ)」 と Blue Grey の2種の釉薬が用いられています。「杼」は、岩崎龍二の作品群のなかでも比較的新しいシリーズです。
一般的に想起される鮮やかな赤(緋色)とは異なり、深みのある赤褐色や橙色、あるいは夕焼けの空を思わせる複雑なニュアンスを内包した色彩が特徴です。他のシリーズ(アイスグリーンや紫匂など)と同様に、釉薬が溶け、流れゆくその一瞬の美しさをとどめたグラデーションが、静かな緊張感を伴って器肌に現れます。
「杼」という名は、古くから使われてきた織機の道具のイメージや、日本の伝統色である緋色の響きを内包しながら、岩崎龍二ならではの現代的な色彩美へと昇華されたものです。
夜から朝へ、あるいは夕暮れへと移ろう時刻の色。
一瞬の光と影を封じ込めたような、どこかメランコリックな佇まいを湛えています。
極めて美しい造形と確かな存在感を備えたこれらの花器は空間に静謐な美をもたらしながら、Rurbanismが大切にする「日々の暮らしの中で、美しいカタチと共に生きること」を静かに可視化する作品です。


