現代陶芸作家・小野哲平によるアートピースは一般的な個展や展示の場で発表されることがほとんどなく、その存在自体がきわめて稀少なものとして知られています。
日常の器制作とは異なる文脈で立ち上がるこれらの作品は作家の内的な思考や時間の堆積を、より直接的に映し出すものと言えるでしょう。
《debris》は陶と鉄線という異質な素材によって構成されたオブジェクト作品です。
白化した釉肌にはひび割れや剥離の痕跡が残り、そこに黒く酸化した鉄線が束ねられ、あるいは解き放たれるように立ち上がっています。
焼成と時間を経た陶の表情と無機的で緊張感を孕んだ鉄の線。
その対比は、完成と崩壊、静止と運動といった相反する状態を一つの塊として内包しています。
タイトルの “debris” は、「破片」「瓦礫」を意味する言葉であり、同時に失われたものの残滓や役割を終えた後になお残り続ける存在を象徴します。
壊れること、残ること、そして形を変えながら存在し続けること。
そのいずれにも明確な境界線はなく、《debris》はその曖昧な狭間にとどまり続ける断片として、静かに、しかし強い緊張感をもって空間に立ち現れます。
その境界に揺らぐ断片は、作家の哲学を静かに、しかし鮮烈に映し出しています。
Rurbanismでは作家との対話を重ねるなかでこのアートピースをご紹介できる特別な機会を得ました。
現代陶芸作家・小野哲平によるアートピース《debris》は、Rurbanism online storeにて販売中です。


